2019年8月31日土曜日

低pH水槽 その1

 pHを下げる方法として僕が知っているのはソイルを使う、ピートを使う、pHマイナスを使う、バクテリアの硝化作用を使うの4種類です。バクテリアの硝化作用でpHを下げるには結構なエサの量が必要で、それだけの排泄物(アンモニア)を処理できるバクテリアが必要になります。このバクテリアはNitrospiraとかNitrosomonasなどの硝化細菌なのですが、これらを培養することは大腸菌を培養するよりもずっと難しいことであります。

 人類が純粋培養できている細菌は地球上全体の約1 %と言われており、残りの99 %は純粋培養できていません。 沢山種類のいる硝化細菌のうち、純粋培養できたものは確か5種類ぐらいだったと思います。そのうちの一種を単離培養した時の話を授業で聴いたことがあり、その中でもアピスト飼育に生かせそうな内容を2つまとめておきます。詳しくは参考文献を参照ください。


・培養開始から半年は硝化細菌の増殖が確認できない。

・アンモニア濃度によって異種の硝化細菌が棲み分けを行っている。


 クマムシを思い浮かべてください。あれは生存に適さない環境になると休眠状態になり簡単なことでは死ななくなりますよね?ただし、休眠状態では増殖も行いません。硝化細菌もおそらく同じで、急な環境変化があると生き残る代わりに活動を止めているように見えます。この積極的な休眠が、わざわざバクテリア剤などを添加しなくてもやがて硝化細菌が定着する理由であり、添加しても効果の少ない理由だと考えます。硝化細菌はいたるところに分布して簡単に休眠状態にはいりますから、ある程度の量が死なずに空気中に含まれていることになります。また、多量の硝化細菌を水槽に導入しても環境変化で死ぬか休眠するかしてしまいます。

 活発な硝化細菌の適応能力は意外と低く、エサとなるアンモニアが多すぎるとその毒性で死んだり、アンモニアが少なすぎても餓死したり。自己の排泄物である亜硝酸、硝酸でpHが低下しても酵素が失活して死んだりします。この適応範囲の狭さによって硝化細菌群の棲み分けがされており、水槽内ではその水質に適した硝化細菌を定着させる必要があります。 

 今回は文章だらけになってしまいましたが、その2ではこの内容を踏まえながら現在自分がこれだと思っている水槽の立ち上げ方を実体験、写真と合わせて紹介しようと思います。

参考文献 
1) 藤谷 拓嗣, 常田 聡, 早稲田大学先進理工学部生命医科学科, Journal of Environmental Biotechnology (環境バイオテクノロジー学会誌) Vol. 14, No. 2, 99–103, 2015, URL: https://www.jseb.jp/wordpress/wp-content/uploads/14-02-099.pdf


にほんブログ村 観賞魚ブログ アピストへ
にほんブログ村

2019年8月26日月曜日

タエニアカラ カンディディ

 おはようございます!今日はタエニアカラ カンディディについてです。僕は以前ラーゴグランデ産のカンディディを飼育していました。怒った時の目がターミネーターのように真っ赤だったのに一目惚れして購入しました。稚魚の5匹セットで購入し、30キューブの水草水槽で育てていました。


 30キューブにチビ5匹なら平気だろうと思っていたのですが、隠れ家の多い水槽ではなかったしカンディディが思ってた以上に凶暴で弱い個体がぽつぽつと死んでいきました。ヒレ噛み千切る系の魚です。 アピストはどつきまわして殺すことがありますが、ヒレを噛み千切るのはたまに起こるような、意図して噛み千切ってる訳ではないような… カンディディは狙って噛み千切ります。


 隔離ボックスに入れててもこの気の強さです。1ペア作ることができたのですが浮上までいかず、ぐずぐずしている間にメスを殺させてしまいました。増えてもこの気の強い魚をずっと維持するほどの情熱もなかったですし、すんなり諦めてしまいました。2匹残ったオスは綺麗だったのですが、今よりも飼育の下手な頃だったこともありエロモナスで落とし、マックスに綺麗なカンディディは見れませんでした。そのうち水槽を空けてオス単独で再チャレンジしたいですね。



にほんブログ村 観賞魚ブログ アピストへ
にほんブログ村

2019年8月25日日曜日

ツシマサンショウウオ


 以前知り合いの方からツシマサンショウウオの自家繁殖個体を頂きました。サンショウウオは出っ張って真っ黒クリクリの眼が可愛く好きだったので夏乗り切れるのかな~と思いながらも喜んで飼育を始めました。それから2か月、クーラー付けっぱなしで何とか夏を乗り切れました。



 しかし、この2か月間飼育してて一度もツーちゃん(ツシマサンショウウオ)が出歩いてるところを見たことがありません!生きているのを確認できるのはワラジムシの殻が混ざった糞を見つけた時と苔を剥がして巣穴を覗いた時だけです。サンショウウオはとても出不精なようなのでパルダリウムで飼育することはお勧めしませんw



  にほんブログ村 観賞魚ブログへ
にほんブログ村

2019年8月23日金曜日

近況


 ビタエニの稚魚は13匹ほどでした。それでも浮上後は減ることもなく、なかなか活発に泳いでいます。

 水草水槽は苔がちっとも収まっていないです。水替えをできない日があったのですが、淀んだ水だと光合成の効率が下がり、添加しているCO2を使いきれなくなってヤマト沼エビをたくさん殺してしまいました。今はCO2を少なめに調整しなおしました。魚の方もダメージを受けているので心配です。酸欠で消化が上手くいっていないように見えるのでエサを切って様子を見るつもりです。



 クリプト水槽に有茎草を入れたところ調子が良くなりました。有茎草の水質浄化能力はすごいですね。一緒に入れているトランペット ニムフォイデスも久しぶりに新芽が出そうです。




 ブセ水槽もそこそこ調子が良くなってきています。意外とエビの糞がバクテリアの発生源になり油膜が出るので水替えの時は浮泥を巻き上げて吸い出すようにしています。こちらにはオテリア メセンテリウムが入っています。新芽が溶けやすかったのですが安定してきました。素焼き鉢の底から根っこもはみ出してきて、しばらくはこのままの管理で育ちそうです。



にほんブログ村 観賞魚ブログへ
にほんブログ村

2019年8月15日木曜日

ビタエニ ☆浮上☆


 昨日、ビタエニアータ テッフェの稚魚が無事浮上しました。産卵から一週間ほどですね。卵の数は82だったと思うのですが、浮上した数は30いってればいいかなぐらいに見えます。母親の調子はこの一週間崩れていなかったので水質をうまく保てていると思っていたのですが、なんかダメなんですね~。何事も身につけるには3年かかると言いますし、アピスト歴1.3年程度ではまだまだということだと思います。それでも、ビタエニアータの浮上は今回初であり、自分にとっては一つの節目になりました。ビタエニアータのカレイロ、タエニアカラ カンディディ、グリーンドワーフ、トリファのマキリエンセ、メンデジィと、理由は様々でしたが繁殖失敗をこの一年続けてきました。ビタエニのテッフェは2回3回と沢山子供を採って、育成が下手な分それに耐えた丈夫な子を選別したいと思っています。稚魚の成長は結構時間がかかるのでまだまだ先の話ですね。気を緩めず親心を持って育成に努めたいと思います。



にほんブログ村 観賞魚ブログ アピストへ
にほんブログ村

2019年8月8日木曜日

GHD


 こんにちは!今日はゴールデンハニードワーフグラミーの紹介です。この子達はハニードワーフグラミーの改良品種でより真っ黄色です。ブリードものよりもワイルドものに惹かれる僕ですが、ワイルドを綺麗に仕上げるには技術と愛情と時間が掛かることが多いので時には改良品種も飼うことがあります。そっちの方が丈夫で安いですし。ヒドラ退治ように飼ったのですが、無事ヒドラを撲滅した後水草水槽に入れていたら綺麗になっていました。





 1枚目の白っぽい方がメスで2枚目がオスです。状態が上がってきたら持っていた色が出てきたのかそばかすのようなシミが出てきました。真っ黄色ではなくなりましたが、むしろナチュラルになって綺麗になったような感じがします。画質の悪い写真だと伝わりづらいかもしれませんね。ブリードものだからか警戒心が少なく、いつもキョロキョロ泳ぎ回っていて可愛いです。胸ビレのフィラメントで気になるものを触りに来るんですよね。掃除の時はちょっと危ない(^_^;)

にほんブログ村 観賞魚ブログへ
にほんブログ村

2019年8月7日水曜日

ビタエニ 産卵!!


 しばらくビタエニシリーズの記事が続くでしょうw 昨日メスの産卵管が伸び植木鉢に出入りしているのを見かけました。そろそろ産卵かな?と思いマンガを一巻読んで待っていると産卵が終わっていました。



 産んだ直後の卵は泥を多少巻き上げてもダメになることはありません。(泥の量や汚れの程度にもよると思います。底床に嫌気的な環境ができていた場合は卵だけでなく親も死にます。)また、植木鉢をひっくり返して卵を確認しても同じところにすぐに戻せば母親はまた世話をしてくれます。今まで夫婦仲良く子育てさせることができた試しがないので父親はすぐに引っ越しさせました。卵の数は82個ぐらいでした。我が家としては十分多い方です。

https://www.instagram.com/p/B02Jw5oHOHW/?igshid=1o7gfd790etib

 水槽内をぐるっとパトロールして卵のところへ帰るということを繰り返しています。稚魚が浮上すると母親はもっと黄色く綺麗になると思うのですが、はたして浮上まで行けるでしょうか…

  にほんブログ村 観賞魚ブログ アピストへ
にほんブログ村

2019年8月6日火曜日

Magician Premium1と2


 こんにちは!今日は最近買ったブセの紹介です。Magician Premium 2というインボイスのもので、新芽が赤く、成熟した葉は青緑をしています。まずは水上で株を大きくしてから水中に沈めようと思ってます。ちなみにこの入れ物はダイソーで買った瓶です。蓋が透明のプラスチックでサイズも丁度良く重宝しています。



 Magician Premiumには葉の形が2より丸いタイプ1もあります。質感が似ていて葉の形が違うためこのように同じ名前で来ているのかな?


 どちらも金属光沢というよりはビロードのような光沢を持つ個性的なブセです。タイプ1は水中に沈めており、真っ赤で小さな葉が出てきています。



 光量が強過ぎて葉焼けしてますね😰 今は糸ゴケまみれにもなってて悲惨な状態です。枯らさないように頑張ります...やばくなったら早めに水上にあげます。



2019年8月5日月曜日

ビタエニ 産卵の前兆か?


 お久しぶりです!ちょっと忙しく予定を組んだらブログ更新サボっちゃいました(^_^;)ビタエニを購入して2週間ぐらいになるでしょうか。メスがぷりぷりしてきました。



 オスの縄張り意識が強くなり怪我だらけになってます。少し隠れ家を増やしたんですが、このまま産卵まで持ってくれるといいなと思います。



 下の写真ではメスがいつもより粘ってオスとコンタクトしてました。少し前までは飛ぶように逃げ回っていたし、これは産卵近いかな?



 購入してきて数か月のまだペアが小さい時期が産卵しやすい気がします。体の大きさに対して十分エサを与えることができるから、もしくは思春期真っ盛りだからかなと思ってます。大人っぽくなったペアは我が家ではあまり産まなくなります。体が大きくなった分エサを増やすと水が汚れるので、じっくり生物ろ過との兼ね合いを見てエサを増やしていかないといけません。pHが下がってしまえばアンモニアが中和されるのである程度無理をした餌やりができるかもしれませんが、かなり大量のエサを入れないとpHが下がらないことは実験済みで、アンモニアに強い金魚などを使って立ち上げをした方がスムーズにいきそうです。

 水が少し悪くなっているので今日はエサを控えないといけません。忘れないようにしないと!

にほんブログ村 観賞魚ブログ アピストへ
にほんブログ村

2019年8月1日木曜日

糸ゴケ


 こんにちは!今日は水草水槽の悩みについて書きます。我が家には本格的な水草水槽が1つあります。僕は熱帯魚全般、水草全般が好きなのでいろいろ詰め込める水草水槽はもってこいですね。
 2か月前、気温が上がってきて水槽の後部に入れてたヒーターを外すのに、パールグラスを全部引き抜く必要がありました。パールグラスを再び植えなおすにはソイルが足りず、アマゾニアを足すことにしました。パールグラスの束の中には糸ゴケが潜んでいたようで、アマゾニアの養分を吸収してすくすく育ち、写真のように苔まみれになってしまいました。

 発生源であるパールグラスが一番ひどいことになってますね。。。


 プロセルピナカ パリストリスは成長が遅くやっとの思いでここまで増やしたのですが苔まみれになってしまいました。


 テスト期間水替えが十分できてなかったので、まずは水替えを増やしてみます。具体的には毎日200%換水ぐらいします。ポンプでお風呂場から水をくみ上げているので比較的楽に大量換水できます。今度我が家の水替えの仕方についても詳しくご紹介しますね。
 水草が茂ってきたにもかかわらずCO2の添加量を増やしていなかったので、それも今日調整してみました。リービッヒの最少律で考えると水草は十分生育できなかったことになります。苔は逆に偏った環境でこそ猛威を振るいますから、余剰な養分と光量ともに苔の生育に加担していたのだと思います。経過のほうもまたご報告させていただきますね!それでまた(^^)/

にほんブログ村 花・園芸ブログ 水生植物へ
にほんブログ村

アガシジィ アレンカー 孵化

 このところアガシジィ水槽の前面のガラスに苔が付いていて、掃除するのがめんどくさく観察も疎かになっていました。今朝水槽を見ていたらなんか雌が黄色くて強気だなと思い、のぞき込んでみてもシェルターを出入りする様子はありません。ライトをつけてガラス面を掃除するとヨークサックを付けた稚魚...